うすくち醤油の里、龍野

播磨の小京都 『龍野』

約500年前に築かれた龍野城跡をはじめ、播磨の小京都と呼ばれる城下町には、五万三千石の武家屋敷の白壁が今も残り情緒豊かな町並みを演出しています。古き良き日本を感じさせる美しい町並みとして、映画のロケ地にも選ばれています。

揖保川

夏には鮎釣りを楽しみに多くの釣り人で賑わう『揖保川』をはじめ、春には桜が舞う公園や、秋には紅葉の美しい山道、冬には日本屈指と讃えられる梅林で梅が咲き誇るなど、四季折々に豊かな自然を感じられるのも龍野の魅力です。

堀家

江戸時代からの豪農で、近世には菜種や鯨油などの商いで財をなした堀家。主屋は、明和4年(1767)に建てられ、主屋をはじめ門や蔵などがほぼ建築当時のまま残っており、大規模農家の歴史的資産として国の重要文化財に指定されています。

いにしえの風に吹かれて

聚遠亭

龍野藩脇坂家の屋敷跡にある建物と庭園の総称。桃山時代の書院造を模した建築物や紅葉の名所として有名。庭園からは、龍野城下町を一望でき、秋には毎年紅葉を楽しみに『もみじ谷』と呼ばれる散策道に多くの観光客が訪れます。

うすくち龍野醤油資料館

世界初の醤油の博物館として1979年に開館。本館では江戸時代から戦前まで、醤油づくりに使われた道具や製造工程を展示。また、うすくち醤油によって栄えた龍野の歴史なども紹介している。平成19年には県の景観形成重要建造物に指定。

井戸糀店

醤油や甘酒などの発酵食品を作る上で欠かせない「糀(こうじ)」。そんな糀を約100年前から作りつづけている「井戸糀店」。糀を発酵させる煉瓦造りの室(むろ)が見学できるほか、糀・大豆・塩のみで手作りされる味噌や甘酒なども販売。

龍野と『うすくち醤油』

播磨平野で実る小麦、山間部で産した質のよい大豆、そして手近で良質の赤穂の塩は、清らかな揖保川の水とおだやかな気候に恵まれて、たつのでは独自の醤油文化を育みました。特に鉄分の少ない揖保川の水は、うすくち醤油作りに適し、脇坂藩の保護のもと発達しました。うすくち醤油は一般的な濃口醤油と比べて、色目が薄く、味わいはほんのりとしており、野菜や魚介などの素材に「色を付けずに味を付ける」と重宝されてきました。

『ほのかなる人のなさけに似るものか
龍野醤油のうす口の味』

これは劇作家であり、放蕩歌人とも言われた吉井勇が昭和34年、龍野の文芸活動団体の招きにより龍野を訪れたときに詠んだ句です。 この句からも伝わるように、龍野醤油といえば「淡口(うすくち)」であり、うすくち醤油は、龍野の代名詞でもあります。紫水亭はこのうすくち醤油の持つ美味しさや、これまで食品メーカーや料理人が見つけていなかった可能性を追い求めて参ります。